高地順応
先日、8000メートル峰14座の一つ、ダウラギリを登る竹内洋岳さん(日本人で初めて14座をすべて登頂した登山家)のBlu-rayを観ていたのですが、登頂の仕方がとても面白いのです。
まず、4000メートルのベースキャンプから3日間かけて7000メートルまで登り、そこから頂上を制覇するのかと思いきや、下山してまたベースキャンプに戻るというものです。
そうする理由は、「高地順応」するためです。8000メートルともなれば、平地の3分の1の酸素濃度なので、それに耐えられる身体を作る必要があるということでした。
そんなに何度も8000メートルを制覇している登山家であれば、身体も慣れているのかと思いきや、経験は身体を上回ることはできないことを確認しました。
つまり、理性的にどれだけ準備を整えたとしても、身体を適応させないとベストなパフォーマンスは発揮できないということです。
もう一つ言えることは、負荷をかけないと一つステージが上がらないということです。同じ酸素濃度でやっていては同じ高さの景色しか見えないということです。
負荷をかければ、その分大変ですが、見える景色もまた変わってきます。せっかく生きているのであれば、まだ見ぬ景色を求めて負荷をかけるというのも、人生の選択肢としては悪くないと思います。
私はせっかくやるのであれば、高地順応をさせて、誰もできないことを平然とやってのける、ジビレられる憧れられる男になりたいと、登山の映像から強く感じました。