ステイハングリー・ステイフーリッシュな男〜感謝のフリースロー⑩〜
主人公の桜木花道はステイハングリー・ステイフーリッシュを体現する男だ。彼がファールで毎試合退場するシーンがあるが、その自分を変えるため「た…退場にならないためにはどうすれば良いか教えてくれ」とゴリの家まで恥を忍んで教えを乞いに行くシーンがある。本当に素直で、貪欲だと思う。
自分のことを天才と呼び、有りもしない妄想を繰り返す癖もあるが、全てはバスケが上手くなりたいという一心の気持ちゆえの妄想であり、流川楓流に言うとその「どあほう」さが、彼のフーリッシュさだ。全てはバスケのためにあり、ウェーイみたいな馬鹿騒ぎさは全くない。ある意味とても紳士なフーリッシュさだ。だから、スラムダンクは読んでいて爽快感に溢れるのだと思う。
今の時代には特にフーリッシュな人が少ない。死ぬほど働きます!なんでもやります!みたいな人はほぼ絶滅してしまった。ただ、いつの時代も価値をもたらすのは少数のクレイジーな人間だ。いちいち何が効率が良いかなど、迷っている暇があったら、フーリッシュに行動して、誰よりも力をつけてはどうかと思う。世界を変えられると本気で信じているクレイジーな人たちが、本当に世界を変えているのだから。