ボクシング:ゆっくり動く
シャドーボクシングをやっていて気づいたのは、「ゆっくり動く」ことの重要性です。初心者の私は特に「速く動く=上手に見える」という錯覚を持ってしまいます。確かに速く動けば運動している感覚は十分得られるのですが、これが大きな落とし穴でした。
なぜなら速さを求めるあまり、フォームが崩れやすくなってしまうからです。実際、自分のフォームを動画で確認するとよくわかります。打ちたいところにパンチが飛ばず、余計な力が肩や腕に入ってしまい、ぎこちない動きになっていました。この悪い癖が一度ついてしまうと、修正するのがかなり難しくなります。
例えばジャブを打つ時を考えてみると、拳を真っ直ぐ前に出すことが大事です。しかしスピードばかり意識してしまうと、腰やお尻が外に流れてしまい、身体の軸がぶれてしまいます。そうするとエネルギーが相手ではなく、横方向へ逃げてしまうのです。結果としてパンチの威力は弱まり、相手に効果的な打撃が与えられません。
正しいフォームのためには、まず骨盤をしっかり相手の方向へ向けること。そして肩甲骨を前にスライドさせるようにして、腕を伸ばしていく感覚が重要です。この時、膝も同じ方向に揃えることで、エネルギーのベクトルが真っ直ぐ前へ集約されます。
また、ジャブからストレートに繋げる場合、最初のジャブの戻し方がとても大切です。ジャブを打ち終えて引き戻した手が顔の位置に近づくタイミングで、次のストレートのためのエネルギーを溜める感覚です。ここで慌てて手を出してしまうと、勢いをうまく利用できず、ただ腕を前に出しているだけの弱いパンチになってしまいます。
ゆっくり丁寧な動きを心掛け、正しいフォームを身体に染み込ませること。それが、結果的に強く正確なパンチにつながる近道だと初心者なりに実感しています。