ボクシング:ジャロン・エニス選手

4月12日のウェルター級2団体統一戦を見て、ボクシング界に新たなパウンドフォーパウンドが誕生しそうな予感です!その名はジャロン・エニス選手です(通称「ブーツ」)。ウェルター級の2団体統一王者として、これからより注目を集めることと思います。

ジャロン・エニス選手の試合をいくつか観ましたが、その驚異的なスピードと鮮やかなコンビネーションに思わず目を奪われました。特に左右から鋭く打ち込まれるボディショットは抜群の精度で、ラウンドを重ねるごとに相手が次第に崩されていく様子は圧巻です。

身長178cm、リーチ188cmという恵まれた体格を持ち、長い腕を自在に操りながらも、バランスを崩さず常に的確なパンチを繰り出します。パンチ自体は強烈な一撃というより、鋭い切れ味で連打が飛んでくるイメージです。重心が崩れにくいので、攻撃後もすぐに防御へ切り替えるその動きは、相手にとって非常に戦いにくいでしょう。

彼の戦闘スタイルは積極的に前へ出て攻めるもので、面白い試合が期待できる魅力があります。また、相手や状況によって左右のスタンスを巧みに使い分ける技術的な器用さも併せ持ち、あのテレンス・クロフォード選手を思わせるほどの多彩さを感じます。

もちろん、課題もあります。2024年11月にウクライナのカレン・チュカジャン選手との試合では、相手の逃げの戦術とクリンチに苦戦し判定勝ちでしたが、精神的な苛立ちも見え隠れしていました。これからさらに強豪と戦うには、冷静さや戦略・戦術の引き出しをもっと増やす必要があるように感じました。とはいえ、まだ27歳です。こうした弱点を克服すれば、さらなる飛躍は間違いありません。

今後はウェルター級4団体統一だけでなく、178センチと言う身長ですので、スーパーウェルター級、ミドル級への挑戦も視野に入れてほしいです。フィラデルフィア出身という背景が「ロッキー」と重なり、スター性と物語性も抜群。これからのボクシング界を背負って立つ選手として、ジャロン・エニスには目が離せません!