Bone Conduction 

日本電産の永守社長の本に、次のようなエピソードがありました。

困難な出来事に見舞われた際、社員に「できる」とまずは口にしてみようと言うことを提示しました。社員は100回「できる」と口にしましたが、社員からは「できる気がしません」と反応がありました。そこで、永守社長は「1000回言ってみよう」と提示しました。

すると、500回位から徐々に職員の気持ちが変わり、1000回を超えたところから、「できる気がしてきました」と、気持ちの部分が変わり、それが成果につながったそうです。

本当のような嘘の話ですが、これは骨振動が大きな影響をもたらしていると思います。自分で発した声は、口から出て反射した音が自分の耳に入ってくることに加えて、自身の骨をつたって自分の脳みそに信号として送られます。この声の大きさは、反射する声よりの圧倒的に大きく、脳に与える振動と言う意味でもインパクトは絶大です。

伝えたい事は、自分が口にしていることを脳が最も認識すると言うことです。「海賊王に俺はなる」と言う言葉を、何度も口にするのと、心の中で思っているのでは、脳に与えるインパクトが違うはずです。だから、ルフィは「俺は海賊王になる男だ」と、ライバルとの戦いで最も苦境になるシーンでその言葉を言ったり、新しい旅立ちの際に「海賊王に俺はなる」と、自分の進むべき道を自分に言い聞かせるためにそのような言葉を言っているのだと思います。

塾の仕事は一言で集約すると、成績向上・志望校合格です。つまり、成績向上・志望校合格を通して、生徒も、一緒に働く講師も、事務の方も、さらに言えばその家族も成長していくという最高の社会貢献を果たすお仕事です。しかし、仕事をしていると、保身行きの直通超特急列車に乗ってしまうことがしばしばあります。毎年年間定期を購入されている方もいるように思います。保身大好きな人が、成績向上・志望校合格に導けるはずがありません。だからこそ、自分たちの使命を忘れないように、「成績向上・志望校合格」と、口にし続けることが大事だと思います。骨振動を侮ることなかれ。