教育の重要事項「重重理解」 ~仕事の自動運転状態からの脱却~
本年に仕事を通じて自分自身が会得した教訓を皆様と共有させてください。
結論から申し上げますと、教育において指導する側が心得るべき重要な点は「五臓六腑に染みわたる十分に深い理解」と考えます。「十分な深い理解」があって初めて自分の言葉で人を導くリーダー(先生)になることができるためです。
例えば、数学の場合、問題の答えが合うことではなく、途中の導出過程や解答に至った根拠を含め、その人が導き出した論理的解答そのものが重要となります。その実現には十分に深い理解が必須です。十分に理解をしていない物事は自分の言葉で言語化することが困難であるためです。自身の個別指導塾における学生講師時代の経験を振り返り、初期の頃は生徒に対して「これは覚えるものだ」と思考停止の授業を行った記憶があります。経験を積む毎に生徒が思わず首を縦に振る授業をしたいという境地に至り、市販教材の読み漁りや独自教材の作成など研究に研究を重ね指導内容の理解に努めました。数学では「定理・公式の導出」「解法の着想根拠」、英語では「英単語の語源・成り立ち」「文法の本質的意味」など、各指導内容に応じて自身なりの哲学を構築しました。第一線で活躍されている方には足元にも及びませんが、大半の指導内容であれば自分の言葉で説明可能になった小さな自負があります。
一方、十分な理解をせずに偶然に成功することは末恐ろしい出来事です。仕事のケースで例えると偶然が重なり、結果が出る場合です(勉強に置き換えるとマーク式の問題で回答した選択肢で偶然答えが正解してしまうようなものでしょうか)。その場合、次回以降も何も考えずに同じ施策や行動を繰り返し実行するという自動運転状態に陥ります。この自動運転状態が思考停止を誘発し、物事への本質的理解や自らの行動の変化を躊躇させます(もちろんモーニングルーティンなどは自動運転で良いですが)。仕事において自動運転は非常に危険です。社会が激動の変化を遂げ、特にコロナ禍により変化が加速している時代において同じ施策・行動を続けることは機会喪失に繋がります。ビジネスに正解はないためです。「これまではこうしていた」という自動運転は新たな顧客獲得のチャンスを逃し、競争力衰退の道を着実に歩むことになります。重要なことは、これまでの慣習や固定観念にとらわれない判断力です。それを成すためには物事を十分に深く理解し、自分の頭で考え抜くことです。そういったリーダー(先生)がこれからの時代はより必要とされると信じています。
自動運転状態を脱する上で大切なことは定期的に自己を客観的に観察する時間を設定することです。「今、自分の頭に●●が思い浮かんでいる」という自己観察が自己を冷静な思考に促し、自動運転状態を脱し、自身の仕事を十分に理解する姿勢に導くことができます。自身の仕事の重さを十分に理解した人が次代の人材を育成し、それが強く聡い人が集う組織を作り上げていきます。
ここまで私も偉そうな講釈を垂れましたが自分自身、自身の責務を十分に理解するには道半ばです。リーダーとして生徒の学力向上への寄与、自身の言動による職員の士気への影響、施策による経済的効果など、多面的に物事を視て判断する必要があります。様々な仕事や物事への理解をより一層深めることで、後進の育成に全身全霊を注ぐ次年度にしたいと思います。
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