ボクシング: WBC・IBFバンタム級統一王者決定戦
2025年6月8日、『プライムボクシング13』にて行われた、WBCバンタム級王者の中谷潤人選手とIBFバンタム級王者の西田凌佑選手による統一戦は、まさに言葉を失うほどの興奮に満ちた一戦でした。
まずはこの試合を実現してくださった両選手、並びに関係者の皆様へ心より感謝申し上げます。
日本人同士の世界王座統一戦としては史上4例目となるこの一戦は、初回から激しい攻防が展開されました。
第1ラウンド、中谷選手は序盤から積極的に前に出て強烈なショットを連打。相手の腕やあばらにダメージを蓄積させるという明確な戦略を実行しました。普段は冷静に相手を分析しながら攻めるタイプの中谷選手の、この積極的な攻勢には私は驚きを隠せませんでした。
一方、西田選手も中谷選手の打ち終わりを狙って的確なカウンターを放ち、特に左ボディを巧みに打ち込み、初回から緊迫感溢れる打ち合いとなりました。
2ラウンドも中谷選手がプレッシャーをかけ続ける展開が続きましたが、3ラウンド以降は西田選手が巧妙に隙を突き、ボディへの攻撃で試合の流れを引き戻しました。
中盤のラウンドからは中谷選手が再びスタイルを変え、足を使ったディフェンスと鋭い左ストレートで試合をコントロール。特に5ラウンドでは中谷選手の迫力ある両腕の間を狙う左ストレートが会場を沸かせました。
試合の激しさゆえに西田選手は序盤のバッティングで右目が塞がり、さらに第6ラウンド終了時には右肩を脱臼していたことが判明。これにより試合は中谷選手のTKO勝利という形で幕を閉じました。
両選手が最後まで気持ちを込めて戦い抜いた結果、観客にとっても非常に見応えのある試合となりました。
今後、中谷選手はスーパーバンタム級へ階級を上げ、井上尚弥選手との注目の対戦が期待されています。日本人がバンタム級を席巻する今、ますますボクシング界の盛り上がりが期待されるとともに、両選手の更なる活躍に胸が高鳴ります。
改めて、両選手、関係者の皆様に深い敬意と感謝を申し上げます。素晴らしい試合をありがとうございました。
<中谷潤人(Junto Nakatani)>
■基礎データ
・生年月日:1998年1月2日(27歳)
・出身地:三重県東員町
・身長/リーチ:173 cm/174 cm
・構え:サウスポー
・リングネーム:Big Bang
■戦績・タイトル
・プロデビュー:2015年4月26日
・通算:31戦31勝(24KO)無敗
・現保持:WBC世界バンタム級王座(2024.2〜)
・現保持:IBF世界バンタム級王座(2025.6〜)
・現保持:The Ring誌世界王座
■主な実績
・WBO世界フライ級王座(2020-2022)
・WBO世界スーパーフライ級王座(2023-2024)
・日本人6人目の3階級制覇王者
<西田凌佑(Ryosuke Nishida)>
■基礎データ
・生年月日:1996年8月7日(28歳)
・出身地:奈良県香芝市
・身長/リーチ:170 cm/173 cm
・構え:サウスポー
・リングネーム:ブラックホール
■戦績・タイトル
・プロデビュー:2019年10月3日
・通算:11戦10勝(2KO)1敗
・保持歴:IBF世界バンタム級王座(2024.5〜2025.6)
・保持歴:WBOアジアパシフィック同級王座(2021-2023)
■特色
・長いリーチと的確なジャブで距離を支配